京奈オンライン会談に関する報告書(卑屈な奈良県民bot氏との対談記録2)
京奈オンライン会談に関する報告書
本報告書は、令和4年6月に行われた京奈南北会談について報告する
記
1.開催日時・参加者
令和4年6月25日(土)21:30~27:30
2.背景
奈良県側の一部過激派は、以前より京都府南部、高の原イオン北部エリアの租借権を求めて活動している。この地域と関係の深い京都人として、双方納得のいく和解のために意見調査の場を設けた。同時に我々の奈良に対する疑問点も解消することも目的としつつ、奈良県有識者である卑屈な奈良県民bot氏 (2号 あをにまる氏)との対談を実施した。
というわけで、第2回南北会談がオンラインで実施される事となりました。
今回も当方は奈良県全権代表として再度、高の原イオン北部の割譲とリニア敷設権の確保、宇治市以南における奈良県の保護監督権と京都水族館の永久租借権を定めたタカノハラ条約の締結を京都側に対して強く求める所存です。 https://t.co/u1lVaHe2xf
— 卑屈な奈良県民bot🦌 (@nntnarabot) June 23, 2022
また本オンライン会談開催にはフリーライターのいずみゆか様(@tabinesukomichi )に同席、取材していただきました。そのうちまいどなにゅーす様、yahooニュース様で取り上げてくださるはずです。
我々の会談がニュースになるなど誰が想像できようか(いや出来ない)
※いずみ様は仏教文化や文化財保存科学、美術工芸、寺社などに造詣の深い方で、我々自称bot共みたいな怪しい連中ではなく、ちゃんとした方です。
本会談約では約6時間に及ぶ討論が引き起こされたので、その内容を本報告書にまとめた。
(この長ったらしい討論に巻き込んでしまったいずみ様、本当に申し訳ございませんでした)
3.会議内容
まず卑屈な奈良県民bot氏(以下、奈良bot氏)にこちらで公募した質問について尋ねた。『民衆の大意』を振りかざすことで、奈良bot氏と奈良の秘密に探りを入れていく作戦だ。
今週6/23に2度目の京奈オンライン会談を開催する事が決定いたしました
有識者の卑屈な奈良県民bot(@nntnarabot)氏との対談を通じて、洛外の更に外である最果ての地、奈良の調査を行います
つきましては奈良県民bot氏に聞きたい質問を募集いたします
リプやDMに送ってくだされば本人に聞いてきます
— みえっぱりな京都人bot (@kyoutojin_bot) June 23, 2022
3件くらい来たら嬉しいなという私の考えを大きく超え、約40件ほどの質問をいただいた。ありがとうございました。(当報告書で取り扱えなかった分は別途まとめる予定です)
京都bot「フォロワーの皆様から頂いた質問をいくつかさせていただきます。まず一つ目、どうやったら彼女ができますか?」
奈良bot「俺、彼女おらんねんけど」
京「知ってて聞きました」
奈「おいこら(笑)。でも逆にどうやったらフラれるかならなんぼでも語れるで。趣味の話を一方的に何時間もしたら簡単にフラれる。中世ゲルマンについて何時間も語るだけで一発よ」
私も少し身に覚えがある気もしたがひとまずおいておこう。
京「では折角なので奈良っぽい質問を行きましょう。西大和のイオンシネマが閉館されることについてどう思われますか?」
奈良県の数少ない映画館の1つが2022年8月21日に閉館してしまうのである。奈良側から度々、『高の原のイオンシネマをよこせ』と言われる立場としてもチェックしておきたいニュースである。
イオンシネマ高の原は京都
イオンシネマ高の原は京都
イオンシネマ高の原は京都
イオンシネマ高の原は京都
イオンシネマ高の原は京都#大事な事なので5回目言います奈良のイオンシネマはイオンシネマ西大和だけ!
— イオンシネマ西大和【閉館】 (@ac_nishiyamato) February 24, 2022
備考:イオンシネマ西大和さんはこのように”理解”している映画館である
奈「そこそこ行ってるから寂しいといえば寂しいかな。生前墓参りも行ってきたよ。ただ正直 我々 中和民は橿原を神と崇めてるからなぁ。寂しいという気持ちはあるが君のことは忘れないよ、という気持ち。めっちゃ困るということはない(笑)
むしろ西大和の本体(イオン)が無くなったときもうあかんなと思ったけど思ったより頑張ったなという印象。」
想像の50倍ぐらい淡白な回答であった。ちなみに中和民とは中和幹線という奈良県道の近くに住む人らしい。奈良を東西にぶった切っている道路で、車文化の奈良では大きな道路が重要なことが再確認できた。
奈「でもやっぱり残念な気持ちは強いな。イオンシネマの近くに大吉という焼き鳥屋があって、友達の運転で行くときは自分はビール飲みつつ、友達に烏龍茶を飲ませるという楽しみがもうできなくなるのかと思うと悲しい。」
奈「あと、映画館の近くにペペローニというオシャレな洋食屋があるの。デートに向いてる感じのおしゃれな洋食屋さんでな、このおしゃれな洋食屋さんでご飯を食べつつ、映画を観るというデートができなくなるのが残念やわ……と思ったけど、よく考えたら俺彼女おらんから関係なかったわ」
この男、彼女がいないと言いつつこのエピソードである。「もしやこの人は奈良のアイドルで恋人の存在を隠している可能性も…」と一瞬考えたが、まあそんなこともないだろう。
京「ちなみに西大和のイオンシネマの公式ツイッターアカウントがフォロワーを増やすにはどうしたらいいと思いますか?」
奈「閉店で捨ててしまう記念品、例えば看板とかポスターのプレゼント企画したら好きな人はフォローしてくれるんちゃうかな。あとは他のフォロワーの多いイオンの公式アカウントに宣伝してもらうとかかな」
さすが奈良で広報活動をやっているだけある。さらさらとアイディアが流れ出てきた。実に恐ろしい男である。
ここで奈良bot氏が行っている奈良に関する広報活動にもさらに調査を入れた。
奈良bot氏はツイートはもちろんのこと、奈良をモチーフにした創作物を多数作成し、公表している。
京「今まで自分が作ってきた作品で 1番思い入れの深いものは何ですか?」
奈「一番ならファイ奈良ファンタジーかな。いろんな人に遊んでもらったし、中には実況動画を上げてくれる人もいた。」
作中の小ネタが特に面白いと話題の作品。奈良県民のみならず、近畿に住む人ならクスッとなったるネタや勉強になる話も多い。
京「創作物だと、奈良を舞台にしたパロディ小説もたくさん書かれていますよね」
今更説明も不要だが、奈良bot氏の2号ことあをにまる氏は奈良を舞台にした短編小説を何作も執筆している。
そのうちの一つ、『ファンキー竹取物語』ははてなインターネット文学賞の大賞を受賞するなどの実績も上げており、その実力は計り知れない。
【ご報告】このたび、当卑屈な奈良県民bot中の人2号@aonimaru_games の短編小説「ファンキー竹取物語」が、はてなインターネット文学賞の《大賞》を受賞いたしました!!
応援して下さった皆様、本当にありがとうございます!!*(^o^)/*https://t.co/E2d5f9TSoa
— 卑屈な奈良県民bot🦌 (@nntnarabot) November 29, 2021
奈「今昔奈良物語集やな。あれは『夜は短し歩けよ乙女』で有名な森見登美彦先生の影響が大きいね。森見先生の名作の一つ、『新釈走れメロス』のあとがきに
『百人の人間が書き直せば、太宰治の「走れメロス」を中心にして、百人のメロスが百通りの方角へ駆け出すだろう』
っていう一節があって、それを読んでやってみようと考えた。森見先生のメロスは京都を走っていたから、俺の書くメロスは奈良から近鉄に乗って大阪に走ってもいいやろうと思って作品作りをしてる。」
これが『新釈走れメロス』 表紙でピンときた方も多いのではないか
ちなみに森見先生は奈良県生駒市出身で、大学、大学院は京都大学に通われていたそう。『新釈走れメロス』『夜は短し歩けよ乙女』など京都舞台の作品が多く、その京都の細かい描写もなかなかに面白いのでぜひ一度読んでもらいたい。特に京都に住んだことのあるものからすればニヤッとできる部分も多いだろう。
京「私も文章を書くのが好きで色々書いてますが、奈良botさんが作品ごとにあそこまで文体を変えているのはすごいなと思いながら読んでました」
奈「あれは原作者さんへのリスペクトやな。それに原作の素晴らしさをアピールしたいという気持ちも強い。元の小説の空気感を壊さないように必死で推敲に推敲を重ねてるよ。そのためにかなり気合入れて書いてるよ。それでもなぜかあんまり読んでもらわれへんけど(笑)」
ここに来て急に”卑屈さ”を醸し出してきた。もともと教科書に載るような作品のオマージュであり、そもそも短編小説であることも相まってサクッと読める作品ばかり。しかも一個人として普通に面白いと思うのになぜ読まれないのかは不思議である。奈良の人口減少が大きな影響を及ぼしている可能性も案じられる。正直少し可哀想と思うので、ここにリンクを貼っておく。奈良側の参考資料として一読していただきたい。
ちなみに少なくとも当報告書よりも短い作品も多いので、ここまで読み進めてくださった方ならサラリと読めるはずだ。
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【書籍発売中!🦌】あをによし 奈良の都に 咲く話
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892320251
また我々は以下の質問で、奈良bot氏の郷土研究の手段を探ることにも成功した。
京「創作の中で趣味ってどれくらい活きていますか?」
奈「知識がないと創作は生まれへん。ファイ奈良ファンタジーなんか歴史とか地理とか地理が詰まってる感じやからな。むしろこれを作るために(奈良県)広陵町の図書館に通って奈良の妖怪について勉強したで。やっぱり知識的なものがないとアウトプットができへんからインプットは頑張るかな(笑) でも得意なことしかできへんから、理系の話とかやと奈良の話でも分からんけどな(笑)」
奈良県の誇る広陵町図書館という大規模な図書館できちんと文献を調べていることが分かった。ネットで調べたソースの怪しい知識ではなく、本格的に調べているところからも、作品に対する熱意が感じられる。
奈「例えば奈良先端技術大学院大学の話も興味もあるけど分からん。奈良先端技術大学で山中教授がiPS細胞の研究をして、京大に行ってからノーベル賞を取ったとか背景の話しか分からへん(笑) 俺はあれは奈良での手柄やと思ってるけど」
京「なるほど、私が具体的にiPS細胞がどうやって作られたかの話を今から4時間かけてすると、私は女性にふられるんですね(笑)」
文献を読んでいる、小説を書いているという面から、更に本に関し探りを入れて調査を進めた。
京「ちなみにどんな本がお好きですか?」
奈「個人的に最近読んでてオススメしたいのは『遠野物語remix』!山姥の伝説とか一つ目の鬼とか2ページくらいの短編が200個くらい載ってる。めっちゃ読みやすいし、面白い。
柳田国男先生がまとめた本を読んで京極夏彦先生が現代語訳した本やな。
あと奈良の話でいったら、一個強くオススメしたいものがある。前野ひろみちの『ランボー怒りの改新』!いわゆる大化の改新の話で、蘇我入鹿、蝦夷をやっつけるんやけど、何故かそこにランボーがいる。飛鳥時代の話をしてるはずやのに、なぜかベトナム帰還兵のランボーがちょいちょい出てくる。あれは誰が読んでも面白いし、ド短編やからすぐに笑える。試し読みの冒頭3ページだけで『あ!こういうことか!』ってなるから一度読んで見てほしい」
実際あらすじを読むだけで興味を惹かれるものがあった。上のリンクからあらすじが読めるので興味があればぜひ見てほしい。
ここにきて元々饒舌だった奈良bot氏が大阪のお笑い芸人のごとく饒舌になった。
趣味の話をしてふられる様子が想像できたことは言うまでもない。
奈「逆に京都botのおすすめ本はなんかある?理系の難しい本はやめろよ(笑)」
京「理系だけど難しくない本やと『ワープする宇宙』。数式をほぼ載せることなく、素粒子物理学の話を説明してくれている本ですね。(中略)あとはSF小説が好きで『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』で有名なフィリップ・K・ディックの作品、『ユービック』とか好きですね。あと『エンダーのゲーム』とかもオススメです。(中略)ちなみに『エンダーのゲーム』は映画化もしていますが、私はまずは小説で読むのをオススメしています。」
ユービックは好みが分かれそうな気もするが、エンダーのゲームはウケる範囲が広いと勝手に信じている。小ネタだが、エンダーのゲーム中に書かれている「指導者の条件とは」という問いかけが様々な方の琴線に触れ、アメリカ海兵隊の推薦図書リストに入っていたり大学のリーダーシップ教材としても使われている。(布教活動)
奈「俺めったにSF読まへんけど、これは好きやで、『涼宮ハルヒの憂鬱』!貸したろか? 今度会うとき、おすすめ本一冊交換しようや」
さり気なく次の会談の予定、しかも直接会う約束を漕ぎつけようとする外交力は特筆に値する。
この外交力だけ見れば彼女が3人ほどいてもおかしくないような気もする。逆に趣味を一方的に語ったあげく、報告書では(中略)でごまかした人がいるらしいが、そいつは大丈夫なのだろうか。
京「なら次回は京都開催で(京奈会談を)やりますか。」
奈「前回の高の原会談は奈良でやったしな」
京「高の原イオンは京都府ですけどね。」
高の原での会談の様子は上の報告書にまとめられている。最近奈良の某ラジオでもこの会談について触れられたらしい。
最後に奈良bot氏(あをにまる氏)が自身の創作活動について語ったセリフをここに書き記す。
奈「(俺は)地元の奈良のことを知ってもらいたいというコンセプトで活動してる。(Twitterの他でも)奈良の魅力を発信しようとブログもやってたけど、文字でアピールしても読んでもらえへんかった。逆にそこで考えたのはゲーム。ゲームとかそういう親しみやすいコンテンツから奈良のいいところを知ってもらえたらいいなと思ってファイ奈良ファンタジーを作った。ホンマに自分が伝えたいということを教えるためには、聞き手側の興味に踏み込んだコンテンツでこっちから聞いてもらえるようにしようと思ったからね。実際ゲームの方はちょっとだけ話題になってくれた。ゲームをきっかけに奈良のことを知ってもらったり、逆に奈良に興味のある人が小説で日本にある素晴らしい文学を知ってくれたりしても嬉しい。自分の作品が新しい興味のきっかけになってくれたら俺は嬉しいね。」
なんかいい人感が出て、しかもステマっぽくなるのが癪ではあるが、いい感じに締めくくれそうなのでここで締めることとする。
(京都側の報告書作成担当者は奈良bot氏側から一切の賄賂を受け取っていないことを、念のためここに記しておく)
謝辞
こんなふざけた自称bot達の茶番みたいな雑談に対しても真面目に取材してくださったいずみゆか様には改めてお礼申し上げます。議論が脱線しまくり白熱し、6時間にも及ぶ会議でしたがお付き合いいただきありがとうございました。
※この記事はジョーク要素を盛大に含みます。ちゃんとまとめられたものも読みたい方は、そのうち掲載されるまいどなにゅーす様、yahooニュース様の記事をご覧ください。
(内容があほすぎて企画がボツになりませんように)
追記
ニュース用に画像が欲しいと聞き、折角なので京都府にある企業 相楽製作所様の狐面を着用して撮影した。中の人は結構気に入っている。可愛くないですか?
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